- 「気分は下剋上 叡知の宵宮」1
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- 「気分は下剋上 叡知な宵宮」29(18禁)
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- 「気分は下剋上 叡知な宵宮」40(15禁)
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「本当に街は真っ暗なのだな……。ロウソクがこんなに明るいとは……」
最愛の人は、祐樹がロウソクを立てると言い張ったので、先ほど盃で「大」の字を映した場所から動いていない。
「そうですね。普段でも京都はご存知のように、マクドナルドなども大阪とは異なった地味な照明です。この送り火に敬意を表して街の明かりがさらに絞られているのでしょうね」
蚊取り線香の香りが辺りにしめやかな感じで立ち上っている。祐樹も救急救命室の凪の時間、特に救えなかった命があるときに無性に一人になりたくて祐樹の隠れ場所で蚊取り線香の煙とタバコを吸うのが常だった。そのときの砂を噛むような思いとは全く違うのは言うまでもない。
「やはりロウソクを立てるのを手伝おうか?」
最愛の人に手伝ってもらえば単純計算で半分の時間で済む。しかし、このロウソクの明かりで……、というのは祐樹が考えたことだ。
「いえ、大丈夫です。貴方の艶やかな肢体が全て見えるように工夫して置いていますので……」
愛の交歓を具体的に思い出したのか、最愛の人の黒い浴衣からすんなりと伸びる首筋や頬が薄紅色に染まっていて、それがロウソクの火が揺れるたびに香るような色香を醸し出している。
「大文字焼き……、山で送り火をたくいうのは誰が考えたのだろうな?平安京の昔から人口密集地なのは確かだけれども。ただ荘厳でとてもいいな……」
最愛の人は感心した眼差しで「大」の火を見つめている。ロウソクを置き終わって最愛の人が腰かけている場所に戻った。
「同じくお盆の行事で精霊流しというのがあるようだが……」
そういえばテレビで見た覚えがある。
「あれもご先祖様の霊を川に流すんですよね。長崎では爆竹を鳴らしたり大きな声を上げながら町中を練り歩くといった行事だと記憶しています」
宗教的な話をしているので、なかなか最愛の人の浴衣を解くことは出来ない。
「あれは川に流すだろう?今は環境問題との兼ね合いで回収されるようになっているらしいが。川の向こうにご先祖さんが戻ると信じられていたのだろうか?」
そういえばそうだ、今まで疑問に思ったことはなかったが。
「長崎では賑やかにご先祖様を送ることしか知らないです。地獄ってどこにあるのかも……。常識的に考えて地下にあると思うのですが……。黄泉の国は明確に地下にあると『古事記』などに書いてありますよね?」
最愛の人が指摘するまでその矛盾に気付かなかった。
「もしかして、祖霊信仰が元になっているのかもしれないな……。一般のご家庭で迎え火をたいたり、キュウリやナスビでご先祖様の乗り物に見立てたりするが、それは例えば亡くなったお祖父さまなどの一故人で、確か三十三回忌を過ぎたら一括りにして『ご先祖さま』になる。そして山や海の守り神となるのではないだろうか?祖霊信仰との関連が深いような気がする。冬は神様も山にいて、田植えの時期から収穫のときまでは里に下りてくるという信仰がある」
そういえば祖霊信仰について文章を大学入試のときに読まされた覚えがある。
「長崎の精霊流しは爆竹や大騒ぎをして送りだすというのも、江戸時代に出島として栄えた歴史があるかもしれないですよね。出島はオランダ人と中国人がいた町ですよね。色々な風習があって面白いです……」
最愛の人の隣に座って口づけを交わした。愛の交歓を始めるという意味の熱いキスだ。最愛の人も、「こうされるのを待っていた」唇を離した瞬間に熱く艶やかな声が囁いた。最愛の人の場合、涼しい顔をして民俗学のことを話しているとばかり思っていたら、肢体は焦れていたらしい。
最愛の人の清廉で怜悧な顔なだけに性的なことを言うとあまりの落差に眩暈がするほどそそられる。舌で滑らかな歯列を辿り、舌先を尖らせると舌の付け根を愛した。しなる肢体が先ほどよりも熱いのは期待していたからだろう。
「艶やかさを衣のように纏った肢体を見せてください」
ロウソクの明かりで濃い紅色に煌めき、その細く長い指が帯を解いていく。「大」の字と、そして祐樹が灯したロウソクの明かりだけが滑らかな肢体を照らしている。最愛の人の肢体はいつ見ても最高に綺麗だが、今回はこの世のものとは思えず、妖精が具現化したような優美さと儚さを感じる。光源がロウソクの明かりだからだろうか?
帯を解き終え、薄紅色の肢体に黒い浴衣がまとわりついている。そのコントラストも素晴らしい。そして、ちらりと見えた胸の尖りは、何の刺激も与えていないので清楚な桃色だった。ただ、祐樹の視線に反応して下半身は半ば勃ち上がっている。視線だけではなくてもしかしたらこの屋上という特殊な場所だからかもしれない。
「ロウソクだけで照らした灯かりは想像以上に綺麗ですね。一周回ってくださいませんか?」
最愛の人は履物も脱いで、バレリーナよりも優雅に円を描いた。売れた桃のような双丘や、翼をもがれた痕のような肩甲骨、そして背骨までもがはっきりと見えた。
祐樹の視線に煽られたのか、半ば育った下半身がさらに重力に逆らい、その先端から水晶の雫が一粒零れ落ちた。ロウソクのオレンジ色の明かりを反射しながら落ちていくのも絶品だった。祐樹も待ちきれないので、浴衣を脱いで最愛の人に近づき強く抱きしめた。
「愛する聡……。折角ですから『大』の字を見ながら愛の交歓をしましょうね……」
―――――
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