- 「気分は下剋上 叡知の宵宮」1
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- 「気分は下剋上 叡知な宵宮」29(18禁)
【18歳未満の方は閲覧できません】
この作品には、性行為や身体的接触などを含む成人向け描写が含まれています。
18歳未満の方、またはこのような内容に不快感を覚える方は閲覧をご遠慮ください。
作品内の描写・登場人物・設定はすべてフィクションであり、実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
「これは、本当に来年もぜひとも見たいな……」
最愛の人が祐樹に果汁のしたたったメロンの上に生ハムをのせたものを食べさせてくれていた。その横で紅い花火が、大輪の花のように束の間の美しさを描いていた。
「横から見る花火はやはり、絶品ですね……。まず大きさが違います。見上げる花火も風情があっていいですが、こうして横から見ると大迫力ですよね。……なんだかテレビで見る『鬼退治アニメ』と映画館で見るのとでは違うのと同じです」
最愛の人は、祐樹の表現が可笑しかったのか笑みを線香花火のように弾けさせた。
「さてと、食前酒のような花火の観賞はここまでにして、そろそろ二人きりで……。貴方の滑らかな肌が青や赤に染まるのを見てみたいです……、聡……」
トロリと甘い酒のような言葉を薄紅色に染まった耳朶に紡いだ。
「……私も、祐樹を、この身体で……味わいたい」
愛の交歓の期待からか甘く熱い声が薄紅色の唇が紡いでいる。手を上げるとコンシェルジュの小柳さんが小走りに近寄ってきた。
「この先は部屋で花火を堪能することにします。菅野夫妻にはそのようにお伝えください。さ、参りましょうか」
インペリアルラウンジを出ると、廊下には誰もいなかった。この花火のためにこのホテルに宿泊しているのだから当たり前かもしれない。
「エレベーターを使うのも無粋ですよね。階段を使いましょう」
最愛の人の指の付け根まで絡めた手つなぎは彼も大好きな小さな愛の仕草だ。
「本当に綺麗だったな、花火……」
嬉しそうな笑みを浮かべる紅色の唇は先ほど食べたメロンよりも瑞々しい色香を放っている。
「私は、花火そのものよりも花火に映し出された聡のほうに目を奪われていました。滑らかな横顔だけであんなに魅力的だったのですから、色香の他に何も纏っていない聡の肢体に花火が映えると、どれだけ蠱惑的なのか考えただけで眩暈がしそうです」
廊下の柱はちょうど死角になっていた。
「聡、こちらへいらしてください」
最愛の人は紅色の眼差しで祐樹を見つめた。その切れ長の瞳が大きく見開かれた。
「部屋に行くのではないのか……?」
その甘い唇に、祐樹の唇を重ねた。
「祐樹……誰か……来たら……、あ……っ」
襟から手を入れて、最愛の人の二つの胸の尖りを爪で弾いた。
「先ほど、せっかく聡の身体を昂らせたのに、邪魔が入りましたよね」
芯を作った尖りを指で摘まんで、きゅっと捻った。
「あ……っ、祐樹……っ、人に見られたら……っ」
言葉では抗うものの、浴衣に包まれた肢体は祐樹にしなだれかかっている。
「大丈夫ですよ。この時間は、みなが花火に釘付けです」
強い口調で断言した。
「そう……っ、だな……っ」
祐樹が二つの尖りを強く弱く捻るたび、指に伝わる微かな震えと熱が変化していった。耳をくすぐる甘やかで熱い声は、時には打ち上げ花火のように高く、時には花火と花火の間の空白の時間のように肢体だけが反応し、無音の時もあった。
その乱高下は祐樹の指が、最愛の人の音色を操る弦となっているかのようで快感と陶酔を余すところなく伝えてくれた。愛の交歓の前奏曲に相応しい、熱く、そして、ひそやかな音色が、高価そうな絨毯に敷き詰めた廊下に響いていた。
下腹部に指を滑らせると、花芯がすっかり育ち切って、微かな蜜も零している。このままここでもっと最愛の人の情欲を昂らせるのが良いのか、それとも部屋に入ってから、あちこちが育った肢体を花火の光で眺めるのが最適かと楽しく、そして滾った頭で考えた。すると、食器の触れ合う音がした。おそらくルームサービスを頼んだ客がいるのだろう。最愛の人の浴衣から伸びた手首を掴んで部屋へと入った。
「見つかるスリルと、実際に人の目に触れるのとでは違いますからね……」
ドアの前で再び口づけを交わした。甘美で深いキスは次第に深まって舌同士で交わす愛の言葉も饒舌になっていく。最愛の人は、震える薄紅色の指先で、夜空の色の浴衣を締めている帯を自ら解いていった。その様子も最高の眺めだった。
「祐樹……っ、花火を見ながら……っ、するのだろう……っ」
甘く、そして彼にしては高い声がそう誘うのと同時に、浴衣が床へと滑り落ちていった。青と白の大輪の花火がその肢体を染めている。ツンと尖った二つの胸や、今にも果汁がぽつりと落ちそうなほど育った花芯が青と白に映えて最高の眺めだった。色香と背景の花火の光だけを纏った彼は、普段以上の破壊力で祐樹の目を射るようだった。
「愛する聡……窓まで歩けますか?」
紅色に染まった首が優雅に縦を描く。部屋を横切り、窓へと近づいていく様子も艶やかな蠱惑に満ちていた。その肢体を黄色の花火が照らしている。最愛の人はガラスに手をついて、白桃のような双丘を祐樹が挿れやすいように開いている。その乱れた姿は花火だって適わないほど瑞々しい魅惑に満ちていた。
「極上の花園にお邪魔してもよろしいでしょうか……?」
しどけなく開いた花園の門を指で確かめた。
「祐樹……っ、早く……っ、欲しい……っ」
小さな声は、花火の轟音にかき消されることなく耳に届いた。
「あ……っ、祐樹ので……っ、開かれていく……っ、感じが……堪らなく……悦……っ」
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