大人向けBL

短編

「気分は下剋上 BD・SP」おまけ 前編

「おや、偶然ですね?田中先生、今お帰りですか?」 森技官がThe官僚様といった黒塗りのクラウンに寄りかかっている。運転席には運転手も座っていた。「偶然なわけがない!今何時だと思っている。午前三時なのだぞ」と言いたいけれども今夜の救...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」16

「この辺りに自然じねん薯じょもありますよね?それを近日中に掘りに来たいのです。もちろん、八木さんの許可は取ります。私達ではどこに埋まっているのか分かりません。シゲさんが目印をつけて下さることは可能でしょうか?」 祐樹はシゲ...
tukimi

「気分は下剋上 月見2025」11

「このお菓子が売っていた土産物コーナーは旅館にありがちなフロント近くではなくて、奥まったところにありました」 小さな箱を最愛の人に渡し、祐樹は、最愛の人が折ってくれた精緻な紅葉の折り紙をそっと手の上に載せて眺めた。見れば見るほどよ...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」53

「初めましてですよね?心臓外科の田中と申します。これからよろしくお願いいたします」 挨拶を交わしたからには顔と名前は憶えておかなければならない。最愛の人なら一秒も経たずに暗記するだろうが、あいにく祐樹はそんな特技は持ち合わ...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」10

「はい?」 営業用の笑みを浮かべて返事をすると、いい年をした仲居さんは頬をほんのりと赤らめた。祐樹は女性からのこういう反応に慣れているが、全く喜ばしいことではない。久米先生に祐樹の本音を話せば、嫉妬と憎悪の念が強すぎて生霊になりそ...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」15

 ついさっき祐樹のカゴの中を見て最愛の人が少しだけ笑ったのも、シゲさんの解説を熱心に聞いて、毒のあるきのこだと分かったからに違いない。「山には慣れています」と豪語してきた手前恥ずかしかったが、最愛の人が満開の花のように笑っ...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」52

「医局内の医師ならそれこそ医局長の柏木先生や、それでも被害が続くようなら香川教授からの厳重注意で鎮火はするでしょう。香川教授はそこまでなさらないと思いますが、例の瞬間湯沸かし器のような教授の場合、僻地の病院に左遷されること...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」9

「この裁縫セットの中に小さなハサミならありますよ。この旅館ならこのような物も用意されているのではないかという予想が当たりました。器用でない人が使う場合はこの糸を切るくらいしかできないでしょうが、貴方なら楽勝でしょう」 第二...
◯◯の秋 2025【完】

「気分は下剋上 ○○の秋」14

「この山の中で、しめじが食べられるのですか?」 栗拾いがこのデートの目的だったが、栗に毒はないので、シゲさんがいるうちに、きのこを見分けてもらって食べるほうが優先順位も高いような気がした。「すみません。まだ食べていいしめじ...
◯◯の秋 2025【完】

「気分は下剋上 ○○の秋」13

「八木様のために先祖代々山を守ってる、八木と言います」 ご年配の男性は年季の入った帽子を脱いで挨拶してくれた。「初めまして。京都大学付属病院の香川と申します」 最愛の人は怜悧な口調とほのかな笑みで自己紹介をしている。「初め...
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