大人向けBL

◯◯の秋 2025【完】

「気分は下剋上 ○○の秋」23

 そういえば、祐樹の記憶に最も強く残っている熊は、二本足で立ち上がっていた。その熊と人間が戦う場面を見たのだが、そのとき人間のほうが小さく見えたのも確かだ。だから思いきり誤解をしていた。最愛の人が焚き火を楽しそうに見ていたのは、彼...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」63

「香川教授、兵頭さんの件ですが、抑うつ状態が悪化しました。目に光がなく、呼びかけにも全く反応しません」 この場にいる看護師たちにも十分聞こえるように大きな声を出した。『分かった。すぐに下りていく。兵頭さんの周りには誰かついているの...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」22

 その音は栗のイガが落ちるような軽さのあるものではなかった。明らかに動物が立てた音だと祐樹は判断した。そして、脳裏に浮かんだのは「イノシシか熊か」という分かり切った二択だった。最愛の人は、彼が作ってくれた最高に美味しいお弁当を食べ...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」21

「特に畳の部分に私が差し上げた愛のエキスを零さないでくださいね」 最愛の人の花園の門は、どういう遺伝子のバグなのか激しい愛の交歓をしたのちにも花園の門はきっちりと閉ざされると知っていた。祐樹が、一夜の戯れに抱いた男性はみな、行為の...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」62

「彼は美山みやま総合医療センターにいます。名前は山敏弘です。マウンテンの山に、「とし」は、敏感の敏、「ひろ」は弓偏にカタカナのムのような字です。しかし、それが何か?」 黒木准教授は不思議そうに。太い首を傾げた。「まだ計画中なのでお...
◯◯の秋 2025【完】

「気分は下剋上 ○○の秋」21

「祐樹、皮むきも任して欲しい」  最愛の人の端整な顔には焚き火の煙の「すす」がついている。薄紅色に上気した肌に「黒いすす」は似合わないような気がしたが、そんな余計なものがついていても、いや、ついているからこそ新鮮だった。どこか野山...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」20(18禁)

 最愛の人が、上下に肢体を動かすたびに、大粒の汗の雫が月の光を反射してダイヤモンドのように一瞬だけ煌めいて祐樹の浴衣へと落ちる。そして、すっかり育ち切った彼の先端部分からもさらに大きな粒がダイヤモンドの艶やかさと清浄さをまとって、...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」61

「私が医局内で久米先生に行っていることはパワハラにあたるのでしょうか?」 不安になってきたのでこの際最愛の人に聞いてみよう。祐樹は久米先生にパワハラをしている自覚はなく、むしろ愛のあるイジりだと思っている。そして久米先生も、わざわ...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」20

「祐樹!私も草むらの中に落ちているイガを見分けられるようになった!あれだろう」 彼の弾む声がし、軍手をはめた指で指し示す方向を見ると、祐樹でも見逃してしまいそうな、緑色の部分が多いイガが落ちていた。あの大きなイガの中には大...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」19(18禁)

 最愛の人は祐樹の浴衣と下着を月明かりに煌めく指で器用に乱したかと思うと、床に膝をつき、まだ半ばしか育っていない祐樹の愛情と欲情の象徴を捧げ持った。まるで貴重な彫刻を扱うような仕草が素敵だった。 そして、紅色の唇と朱色の舌...
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