医療モノ

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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」42

「手術の日が決まるまで父は入院ですよね。家で倒れていないかとか、会社で具合が悪くなるとかの心配はしなくてもいいのはとても助かります。病院だといざというとき教授や田中先生がいらっしゃるので安心です!」 夏輝は強いて笑みを作っているの...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」教授視点24

「私が学生だった頃にあそこでボランティアをしていましたのである程度は知っています」 黒木准教授は納得したように頷き、三好看護師と広瀬看護師に指示を出しにいった。ノロウイルス患者がこの心臓外科病棟で出ないように万全の対策をし...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」41

「漫画ですか?人気作品なら読みますよ」 夏輝は目を大きく開けて驚いたように最愛の人と祐樹を見ている。「ちなみに、『鬼退治アニメ』や『呪いが廻る戦い』などは考察の余地がありますよね。小児科の浜田教授と内科の内田教授を交えた四...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」40

 最愛の人の薄紅色の薔薇の風情と、夏輝の小さな白いリスのような二人のかみ合わなさが面白くて、祐樹は呉先生と顔を見合わせて微笑みを交わしあってしまった。もし、この場面を森技官に見られたら確実に祐樹は柔道か剣道で怪我をさせられ...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」教授視点23

「ノロって感染力が高いですよね?今搬送されたということは、父は大丈夫ですよね?」 夏輝さんがぴくぴくと震えるリスのように見上げている。「念のため確認します。祐樹がお父さまをこちらに運んできたときには、他の患者さんはいました...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」教授視点22

この部分は『知らぬふりの距離』祐樹視点・第28話あたりの場面にあたります。 それぞれが何を思っていたのか、併せて読んでいただければ幸いです。  そういえば、呉先生が夏輝さんと話したいと言っていた。呉先生は...
◯◯の秋 2025【完】

「気分は下剋上 ○○の秋」1

「お早う、祐樹。朝食が出来ている」 最愛の人の唇を唇で感じて目を覚ました。昨日、いや今朝の未明に病院から帰宅し、パジャマに着替えて最愛の人の肢体とその温もりを感じながら眠りに落ちた。墜落睡眠と名付けている祐樹の熟睡からぽか...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」38

「どうぞ、お入りください」 呉先生は朗らかな声を出したのちに、ひらりと立ち上がってコーヒーを淹れに部屋を横切った。ドアが静かに開いて、白衣の裾を天使の羽根のように翻し、最愛が入室してきた。 彼がこの部屋に来ただけで格調の高...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」教授視点21

この部分は『知らぬふりの距離』祐樹視点・第27・28話あたりの場面にあたります。 それぞれが何を思っていたのか、併せて読んでいただければ幸いです。  有瀬氏は、奥様の香織さんが不在のため、夏輝さんに入院準...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」37

 夏輝はマロングラッセを机に置いて深々と頭を下げている。物を持ったままでお礼を言うのは失礼にあたるというし・つけ・・をご両親から受けているのだろう。「いえ、お礼なんて……。夏輝さんが一生懸命に学ぼうとしているので、私で出来...
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