医療モノ

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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」教授視点10

この作品には、『叡智な一日』をお読みの方にとって 「どこかで見覚えのある青年」が登場します。 本編とあわせてお楽しみください。 「それが、ナツキさん、つまりその若者のあだ名だか本名なのかは...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」25

 最愛の人は「それがパジャマなのか?」とでも言いたげな表情だったが、長岡先生の焦り具合を見て察したらしく、納得の表情に変わった。「教授、その前に一言お話があるのですが……出来れば人のいないところで」 祐樹は、最愛の...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」24

「黒木准教授、手術のリスケはこれで行きましょう。遠藤先生、手術室にメールと、そして念のため明日の朝にも連絡してください」 最愛の人の白く長い指が持っている用紙を見て眉を寄せてしまった。「教授、よろしければ、そのうち...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」23

「そうだ。藤原さんは予期せぬ急性心不全で医局内がバタついてしまった。そのため救急救命室からの受け入れ要請に応えられなくて本当に申し訳ないと杉田師長に謝っておいて欲しい。さてと、そちらからの患者さんは?」 最愛の人は...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」22

「ストレッチャー押し、手伝いますよ?」 有瀬さんの身体を処置台から下ろし、看護師の伊藤さんが待ち受けているストレッチャーに載せた。「いえ、大丈夫です。香川外科大変なんですね。まあ、ウチが凪の時間で良かったです。こち...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」21

「もっと両親と話し合うべきでした……。やっぱ、ゲイってことが分かると『跡継ぎはどうするんだ』みたいな話が出てきたり、育て方が悪かったのか?と考えられたりしたらヤダなと思ってずっと避けてきたんです……」 美容室を二十...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」教授視点 6

この作品は、夏輝の父・有瀬誠一郎が搬送される前の、香川教授視点です。 毎日更新は無理ですが、時間のある時に不定期更新します。 教授がナツキのことをどう考え、祐樹も知らないうちにどう行動したのか―― 気にな...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」20

「一度だけ会って香川教授から名刺をもらったという本当のことと、実際は『グレイス』で話した仲だということを隠すんですね。ものすごく勉強になりました……」 夏輝は感心のため息をついた後にカフェオレを美味しそうに飲んでいる。「嘘...
「気分は下剋上」叡知な宵宮【完】

「気分は下剋上 叡知な宵宮」26

 理知的で端整な顔にやや硬質な微笑を浮かべた、よそ行きの顔の最愛の人の表情は熱意にあふれる心臓外科医という感じではないが、読者に安心感を与えるには充分だった。こうして祐樹とデートしているときには無垢で無邪気な笑みを...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」 19

「――お父さまだって、発見が遅れたら……」 これ以上は言っては、夏輝がタバコ断ちで願掛けをしている健気さを踏みにじるような気がした。最愛の人の大輪の花のような笑顔にはかなわないものの、夏輝の若者らしい笑顔をつい守り...
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