創作BL

短編

「気分は下剋上 BD・SP」おまけ中編

「祐樹が帰ってくる時間には勝手に目が覚める」と言っていた最愛の人を起こさないように細心の注意を払っていたが、ベッドルームに入ると最愛の人が半身を起こしていた。「祐樹お帰り」 今まで熟睡していたらしいのに、冴え冴えとした眼差...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」12

「こういう鯉って買ったら高いのですよね?」 祐樹が贈ったまだ青い紅葉を嬉しそうに見ていた最愛の人は驚いた表情で祐樹の目を見ている。先ほどまで「詩人」と言われてはいたが、好奇心の赴くままに俗な質問をしてしまい、興をそいだかも...
sira

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」54

 やっとエレベーターの扉が開いた。通勤時間の電車もかくやというほどの混雑ぶりなのはいつものことだ。しかも車いすや松葉づえの患者さんも乗っているので、車椅子対応の広いエレベーターですら人であふれている。祐樹と柏木先生、そして...
短編

「気分は下剋上 BD・SP」おまけ 前編

「おや、偶然ですね?田中先生、今お帰りですか?」 森技官がThe官僚様といった黒塗りのクラウンに寄りかかっている。運転席には運転手も座っていた。「偶然なわけがない!今何時だと思っている。午前三時なのだぞ」と言いたいけれども今夜の救...
◯◯の秋 2025【完】

「気分は下剋上 ○○の秋」16

「この辺りに自然じねん薯じょもありますよね?それを近日中に掘りに来たいのです。もちろん、八木さんの許可は取ります。私達ではどこに埋まっているのか分かりません。シゲさんが目印をつけて下さることは可能でしょうか?」 祐樹はシゲ...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」11

「このお菓子が売っていた土産物コーナーは旅館にありがちなフロント近くではなくて、奥まったところにありました」 小さな箱を最愛の人に渡し、祐樹は、最愛の人が折ってくれた精緻な紅葉の折り紙をそっと手の上に載せて眺めた。見れば見るほどよ...
sira

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」53

「初めましてですよね?心臓外科の田中と申します。これからよろしくお願いいたします」 挨拶を交わしたからには顔と名前は憶えておかなければならない。最愛の人なら一秒も経たずに暗記するだろうが、あいにく祐樹はそんな特技は持ち合わ...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」10

「はい?」 営業用の笑みを浮かべて返事をすると、いい年をした仲居さんは頬をほんのりと赤らめた。祐樹は女性からのこういう反応に慣れているが、全く喜ばしいことではない。久米先生に祐樹の本音を話せば、嫉妬と憎悪の念が強すぎて生霊になりそ...
◯◯の秋 2025【完】

「気分は下剋上 ○○の秋」15

 ついさっき祐樹のカゴの中を見て最愛の人が少しだけ笑ったのも、シゲさんの解説を熱心に聞いて、毒のあるきのこだと分かったからに違いない。「山には慣れています」と豪語してきた手前恥ずかしかったが、最愛の人が満開の花のように笑っ...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」52

「医局内の医師ならそれこそ医局長の柏木先生や、それでも被害が続くようなら香川教授からの厳重注意で鎮火はするでしょう。香川教授はそこまでなさらないと思いますが、例の瞬間湯沸かし器のような教授の場合、僻地の病院に左遷されること...
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