創作BL

aki

「気分は下剋上 ○○の秋」最終話(18禁)

「――祐樹、イノシシは本来臆病な生き物らしい。空腹時や、子連れのときは危険だとされているが、あれは一頭だけだ。また、この山で私が拾ったどんぐりや、二人で拾った栗も豊作と十分に言える量のはずだ。少なくとも飢えてはいない」 そういえば...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」69

 そのメンズナース達の厚意は受け取ったが、果物かごの中身はどうでもいい。「久米先生、ほんのお礼の気持ちです。メロンやマンゴーなど何でも好きなだけ召し上がってください」 祐樹の言葉に久米先生は、歓喜の踊りを舞うカバのようだっ...
tukimi

「気分は下剋上 月見2025」24(18禁)

「――『竹取物語』だったと思いますが、かぐや姫が月を見て泣いている場面で翁が『月を見るのは不吉だ。見ないように』と言うシーンがあったと思います。また月を意味する「luna」に「tic」をつけて狂気じみたという意味の英語がありますよ...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」25(18禁)

「そうなのですか?しかし、貴方は『鬼退治アニメ・柱稽古編』で主人公たちが岩にくっついて『温かい』と言っていたのを検証する私を止めませんでしたよね?もし、岩が冷たいと予想できたなら、貴方は制止したはずです。あの岩が温かいと何故分かっ...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」68

 そんな祐樹の前に柏木先生が立っていて、「お疲れ様」というように肩をポンポンと叩いた。「田中先生、久米先生のぜい肉のおかげで命拾いしたって!?やっぱり抑うつ患者は何をするか分からないから怖いよな」 柏木先生も精神科に苦手意識を持っ...
tukimi

「気分は下剋上 月見2025」23

「こうして見る月は本当に綺麗だ」 祐樹の肩に頭を預けた最愛の人が夢見るように呟いている。「そうですね。二人で同じ物を見ている、そして徐々に南中へと至っていく過程をのんびりと眺める月は最高です」 空には雲一つなく冴え冴えと光る満月が...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」25

「あの大きな岩に触れたら、本当に温かいのかを試してみたくなりました」 最愛の人は一瞬何かを言いかけたような気がしたが、祐樹の提案に花よりも綺麗な笑みを浮かべ、こちらへと歩みを進めた。お互い生まれたままの姿だったけれども、誰もいない...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」67

「臨時教授会でセクシュアルハラスメント禁止条項は当然として、パワーハラスメントの厳禁についても明確に通します。特に真殿教授には、強く釘を刺します」 怜悧な声が凛と響いた。川口さんと西さんは、土下座せんばかりの勢いで頭を下げている。...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」24

 先ほどはシゲさんを熊だと早とちりして最愛の人にとんだ失態をさらした。情報は多いほうが良いだろうと聞いてみた。「イノシシはここらにおるで。熊は見かけたことはあらへんな」 その言葉に安心した。イノシシならまだ何とかなりそうだ。シゲさ...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」66

 兵頭さんは、精神科の閉鎖病棟よりもよく考えられているというこの病室のベッドの上に、再び「虚無のお地蔵さん」のように座っていた。祐樹は、普通の病室ではシーツは取り外し可能な仕組みになっているのに、ここではベッドマット――詳しい名称...
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