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「気分は下剋上 秋の愉しみ」2025 | 腐女子の小説部屋 新館
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「気分は下剋上 秋の愉しみ」2025

aki

「気分は下剋上 ○○の秋」1

「お早う、祐樹。朝食が出来ている」 最愛の人の唇を唇で感じて目を覚ました。昨日、いや今朝の未明に病院から帰宅し、パジャマに着替えて最愛の人の肢体とその温もりを感じながら眠りに落ちた。墜落睡眠と名付けている祐樹の熟睡からぽか...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」2

「意外と駐車場は狭いのだな?」 最愛の人は、祐樹のアドバイスに従っていつぞやGUで買った長袖の青いシャツとスラックス姿だった。「ファミリーが来るような店ではないですからね」 ちなみに祐樹は色違いの白いシャツだ。しかし、よくある服な...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」3

「わ!祐樹、この軍手の品ぞろえ……圧巻だな」開けっ放しという今どき珍しい入口から入ると最愛の人が切れ長の目に無邪気な驚きの色をたたえて、祐樹を見上げた。「軍手や安全靴ばかりが並んでいるのは客層を考えたらまだ分かるのだけれど...
◯◯の秋 2025【完】

「気分は下剋上 ○○の秋」4

 確かにその若者は肉体労働者らしくしっかりとした筋肉がシャツを押し上げている。「仕事の話になるのですね」 最愛の人は、いきなり雲がかかって暗くなった地に咲く白薔薇のような表情を浮かべている。オフの日に仕事の話はなるべくしな...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」5

「流石は建築業に従事している人に特化したお店だな。スマートフォンもほら、こんなに深くまで入って落下しないように工夫されている」  弾んだ声でポケットの中に細く長い指を入れた彼は感心したような笑みを零している。「どの高さで作業するか...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」6

「これだけあれば、何年も栗拾いに行けるな」 思いのほか大荷物になったので二人で分けて車へと運んだ。「あとは、貴方の好きなお菓子を買っておいてくださいね」 その笑顔は、あぜ道に咲いて風に揺れる庶民的なコスモスのようだった。「...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」7

「それもそうだな。トングがあれば手に炎症が起こらないと軽く考えていた……。ただ、銀杏など病院の敷地内に生っている食べられるものを捨ててしまうのはもったいないと思うのだ。旧館はほぼ呉先生が把握しているだろう」 最愛の人の言う...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」8

「祐樹は軍手だけで良いのか?」 彼が描いたように綺麗な眉を寄せている。軍手だと心もとなく思ったに違いない。当たり前だが手を始めとして身体の怪我を負ってしまえば仕事に差し支える。「物心ついた時から山や海を走り回っていましたか...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」9

 無邪気な弾んだ声が車内を春色に染めていくようだった。几帳面な彼が珍しくキッチンのテーブルに置きっぱなしにしていた「遠足のお菓子リスト」は、祐樹に見せるためではないのだろう。 あの夜キッチンに足を運んだのは急に喉が渇いたからだった...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」10

「焼き栗?祐樹と行った花火大会の屋台に『天津あまつ甘栗あまぐり』が売っているのを見た覚えはあるが、りんご飴に気を取られて結局買っていないな」 きのこの山を弾む指先で摘まんで口に入れた最愛の人の無邪気な笑みを見ながら、「あま...
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