sira

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」教授視点15

この部分は『知らぬふりの距離』祐樹視点・第21話あたりの場面にあたります。 お互いが何を思っていたのか、併せて読んでいただけると嬉しいです。  ひと段落ついて安堵し、藤原さんの容態をもう一度チェッ...
sira

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」30

 柏木先生や久米先生は日ごろの親しさはあるにせよ、夏輝のLINEは礼儀正しさの見本のようだった。久米先生なんて一般的なスタンプではなく、彼がハマっているゲームの中の美少女が「承りました」と、なぜか胸の谷間にハートマークで強...
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「気分は下剋上 叡知な宵宮」37

「そうだな。そうなった場合、悪性ガ新生物ン科の桜木先生のように手術職人として生きていたような気がする」 最愛の人は、ほろ苦い笑みを浮かべている。悪性新生物科の桜木先生は「手術室の主」ぬしだの「頑固職人」だのと心ない...
sira

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」教授視点14

この作品は、夏輝の父・有瀬誠一郎が搬送される前の、香川教授視点です。 毎日更新は無理ですが、時間のある時に不定期更新します。 教授がナツキのことをどう考え、祐樹も知らないうちにどう行動したのか―― 気になる読者様に読んでいただけ...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」29

「牡蠣が当たったくらいで呼び出さないでくださいよ。多重事故か何かだと思いました。しかも腸炎ビブリオですよね」 処置がひと段落した後に医師用の休憩室に入って柏木先生に文句を言いたくなった。同じ食中毒でもフグほどの致死...
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「気分は下剋上 叡知な宵宮」36

「祐樹、いつものコーヒー」 最愛の人が薄紅色の笑みを浮かべながら目の前で買ったコーヒーを手渡してくれた。最愛の人のことだから十メートル先の自販機を見た瞬間に祐樹が愛飲しているメーカーのものだと気が付き、それでわざわ...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」教授視点13

この作品は、夏輝の父・有瀬誠一郎が搬送される前の、香川教授視点です。 毎日更新は無理ですが、時間のある時に不定期更新します。 教授がナツキのことをどう考え、祐樹も知らないうちにどう行動したのか―― 気になる読者様に読んで...
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「気分は下剋上 知らぬふりの距離」28

 祐樹が話していると、有瀬氏は夏輝を感心したように眺めている。あまり会話のない家庭だと夏輝は言っていた。だから夏輝の変化にもおそらく気が付いていないのだろう。「分かりました。家のことは母が忙しいので通いの家政婦さん...
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「気分は下剋上 叡知な宵宮」35

「お待たせしました。はい、これ。ちょっとしたプレゼントです」 最愛の人にコンビニの袋ごと渡した。「何だろう?開けてみても?」 彼は薄紅色の笑みを浮かべ、弾んだ声を上げている。「もちろんです。喜んで下さればいいのですが」 ラ...
「気分は下剋上」叡知な宵宮【完】

「気分は下剋上 叡知な宵宮」34

「天神祭りの日に、祐樹が言ったことは正確だったな。お祭りではなくてこの世に帰ってきたご先祖様を送るためにみなが神妙な顔をして歩いている……」 最愛の人も祐樹も天神祭りのときとは異なって黒い色の浴衣にしたのは正解だったようだ...
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