tukimi

月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」5

「この旅館か。雑誌に『中秋の名月に行きたい旅館 トップ5』としてランクインしていたな」 最愛の人はビジネスパーソン向きの経済雑誌を読んでいるのは知っていた。おそらくその雑誌に載っていたのだろう。「そうなのですか?具体的にど...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」4

 最愛の人は部下思いなので、真っ先に久米先生の話題が出てくると祐樹は予想していた。しかし普段以上に食べるのが早い彼はよほどお腹がすいていたのだろう。「執刀経験を積ませたほうがいいと思いますが、手術室はキャパオーバーですし、...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」3

「田中です。お呼びにより参りました」 数えきれないほど来ている最愛の人の教授執務室のドアをノックした。教授執務階の廊下は絨毯もふかふかだったが、行きかう教授はともかく叱責のために呼び出された医師の顔は悲劇的な表情だった。祐樹の前を...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」2

 そろそろ最愛の人の手術が終わった頃だなと時計を見た。一昔前、患者さんは言いたいことがあると看護師に話したらしいが、今は医師に直接言ってくるようになったので、切り上げ時が難しい。しかも、医師への不満があると不定愁訴外来に行...
tukimi

「気分は下剋上 月見2025」1

「みなさん、お早うございます。今日も一日ミスのないように職務に勤しんでください。さて、嬉しいお知らせがあります!なんと我が医局から『将来を嘱望された若い外科医の会』の招待状が届きました!わざわざ言うまでもありませんが、全国に名前を...
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