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「気分は下剋上 イルミネーション 2025」14

「また後ほど。聡、愉しみにしています」 呉先生が体育座りから立ち上がったのが視界の端に映ったので、祐樹は、愛らしく尖った突起を強く捻った後、指をさり気なく離した。「祐樹、私こそ待ち望んでいる……」 薄紅色の唇からは熱い吐息が零れて...
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「気分は下剋上 イルミネーション 2025」13

「え?うーん……下手というか、オレの反応を見てないよなって感じるんです。人によって感じる場所は異なりますよね?それなのに、マニュアルがあるのかどうかまでは知らないんですけど、どっかで習ってきたお手本通りって感じなんです。下手という...
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「気分は下剋上 イルミネーション 2025」12

「熱心な支持者は『なんであんな美人は特別扱い?しかも若い女』などと嫉妬のあまり支持をやめる可能性も高いです。無料押し活知事と呼ばれているほど、中年女性のファンが多いのです。何しろ、チケット代も不要ですし、知事が出没する場所はある程...
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「気分は下剋上 イルミネーション 2025」11

 最愛の人はカシミヤのコートに包まれた少し細い肩を竦めて淡い笑みを浮かべている。まるで夜に咲く純白の薔薇のような風情をまとっていた。「祐樹と二人でこんな綺麗なイルミネーションを見るのも、とても楽しい。しかし私は修学旅行に行っていな...
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「気分は下剋上 イルミネーション 2025」10

 それはいいのだが、マスタードが大きな玉になっているのが、イルミネーションしかない光源でもよく見えた。あんな、マスタードが真珠のような玉になった物を食べて大丈夫なのだろうか。「うわっ!辛っ!!ホットワイン欲しいっ」 森技官が容器を...
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「気分は下剋上 イルミネーション 2025」9

 森技官は祐樹が内心羨ましく思っている、苦み走った整った顔に微苦笑を浮かべている。祐樹はどちらかと言えば童顔なので若干ムカつく。ただ、今着ているのが黄色のモフモフの毛布みたいなコートなので、奇妙な可愛らしさがないことはない。省内き...
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「気分は下剋上 イルミネーション 2025」8

 今の運営会社がどんな企業なのかなどは全く知らないのだけれども、行政が関与していたなら、観光客がほぼいないのも頷ける話だ。ロビーに着くと森技官の長身はよく目立った。しかも呉先生とお揃いのモフモフした毛布みたいなコートを着ているのが...
「気分は下剋上」イルミネーション 2025

「気分は下剋上 イルミネーション 2025」7

「カニ、カニ!カニ!!」 呉先生の頭の中にはカニしかないのではないかと思うほど、はしゃいでいる。その様子を珍しいものでも見るように最愛の人が静謐な表情で眺めている。あれほどヘリコプターの中でゴディバのタブレットとベビーカステラを食...
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「気分は下剋上 イルミネーション 2025」6

 呉先生は細い指をぶんぶんと振りまわしている。どうやら呉先生の演説が始まりそうな気配だ。「お前が潜入している兵庫県庁だって何かを作れば県内外から観客が押すな押すなの大盛況だと思って箱モノを建てるだろう?そしてさ、全く上手くいかなく...
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「気分は下剋上 イルミネーション 2025」5

 アルマーニと思しき、光沢のあるカシミヤのコートが、エリート然とした雰囲気を引き立てているのもいちいちムカつく。きっぱりした印象を、見る者に与える紺色のスーツといい、几帳面に締められた青色のネクタイと相まって「出来るビジネスマン」...
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