kouyamamika

短編

「気分は下剋上」SP 執務室でコーヒーを 前編

 夏輝の父・有瀬さんの手術の予定が決まったことを祐樹が夏輝に告げると、細い肩から重い荷物を下ろしたような表情でほのかに笑った。「ありがとうございます。執刀予定の香川教授にもお礼を言いたいんですけど、きっとご迷惑でしょうね……」 夏輝はそう...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」70

「あのう、ナースステーションってだいたい何人の看護師さんがいるんですか?」 夏輝の質問に少し面食らった。在籍者数なのか、それとも今いる看護師の数だろうか?「三好看護師にお礼をされるのですよね。時間によりますが、最大で十五名です」 ...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」最終話(18禁)

 祐樹が最愛の人の極上の花園へと深く突き入れると、腰に絡まった彼の両足が「もっと」というように力を加えてくるのも最高だ。祐樹の律動に合わせて彼の腰も宙へと浮かび上がって奥の奥へと招き入れてくれる。結合部分からは熱く淫らな協奏曲が、...
aki

「気分は下剋上 ○○の秋」最終話(18禁)

「――祐樹、イノシシは本来臆病な生き物らしい。空腹時や、子連れのときは危険だとされているが、あれは一頭だけだ。また、この山で私が拾ったどんぐりや、二人で拾った栗も豊作と十分に言える量のはずだ。少なくとも飢えてはいない」 そういえば...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」69

 そのメンズナース達の厚意は受け取ったが、果物かごの中身はどうでもいい。「久米先生、ほんのお礼の気持ちです。メロンやマンゴーなど何でも好きなだけ召し上がってください」 祐樹の言葉に久米先生は、歓喜の踊りを舞うカバのようだっ...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」24(18禁)

「――『竹取物語』だったと思いますが、かぐや姫が月を見て泣いている場面で翁が『月を見るのは不吉だ。見ないように』と言うシーンがあったと思います。また月を意味する「luna」に「tic」をつけて狂気じみたという意味の英語がありますよ...
◯◯の秋 2025【完】

「気分は下剋上 ○○の秋」25(18禁)

「そうなのですか?しかし、貴方は『鬼退治アニメ・柱稽古編』で主人公たちが岩にくっついて『温かい』と言っていたのを検証する私を止めませんでしたよね?もし、岩が冷たいと予想できたなら、貴方は制止したはずです。あの岩が温かいと何故分かっ...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」68

 そんな祐樹の前に柏木先生が立っていて、「お疲れ様」というように肩をポンポンと叩いた。「田中先生、久米先生のぜい肉のおかげで命拾いしたって!?やっぱり抑うつ患者は何をするか分からないから怖いよな」 柏木先生も精神科に苦手意識を持っ...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」23

「こうして見る月は本当に綺麗だ」 祐樹の肩に頭を預けた最愛の人が夢見るように呟いている。「そうですね。二人で同じ物を見ている、そして徐々に南中へと至っていく過程をのんびりと眺める月は最高です」 空には雲一つなく冴え冴えと光る満月が...
◯◯の秋 2025【完】

「気分は下剋上 ○○の秋」25

「あの大きな岩に触れたら、本当に温かいのかを試してみたくなりました」 最愛の人は一瞬何かを言いかけたような気がしたが、祐樹の提案に花よりも綺麗な笑みを浮かべ、こちらへと歩みを進めた。お互い生まれたままの姿だったけれども、誰もいない...
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