- 「気分は下剋上 叡知の宵宮」1
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- 「気分は下剋上 叡知な宵宮」29(18禁)
- 「気分は下剋上 叡知な宵宮」30(18禁)
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- 「気分は下剋上 叡知な宵宮」43(18禁)
- 「気分は下剋上 叡知な宵宮」44(18禁)
- 「気分は下剋上 叡知な宵宮」最終話(18禁)
【18歳未満の方は閲覧できません】
この作品には、性行為や身体的接触などを含む成人向け描写が含まれています。
18歳未満の方、またはこのような内容に不快感を覚える方は閲覧をご遠慮ください。
作品内の描写・登場人物・設定はすべてフィクションであり、実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
「ここに来る前にスマートフォンの雨雲レーダーを見て、天神祭りのときに着た浴衣も一応トートバックに入れてある」
その用意周到さに感心した。
「それは有難いです。途中に夕立があったので、タクシーの運転手さんも不審には思わないでしょうから……。ただ、今は送り火を見た人たちが帰宅する時間なので、もう少し時間をずらして降りていったほうが無難ですよね」
最愛の人は紅色に染まった顔に意を決したという感じの表情を浮かべている。
「祐樹、この絶好の機会に、もう一度、非常階段で抱いて欲しい……。祐樹は、『グレイス』で意気投合した相手とそういうことをしたのだろう?私は一回もしていないので……」
……何だか最愛の人は壮大な誤解をしてそうだった。祐樹が非常階段でコトに及んだのは財布の中身が薄かったことが最大の要因だ。それにシビアなようだが、ホテル代がもったいないと判断した相手に限っての話だった。最愛の人とは根本的に異なる。ただ、彼は祐樹がそういう行為に及ぶのは相手に抗いがたい魅力があったと誤解しているような気がする。
「――分かりました。聡がそう望むなら……」
最愛の人は雨の雫に濡れた深紅の薔薇のような笑みを浮かべて、祐樹にキスをしてくれた。
「少し休んだら行きましょうね。非常階段は当然ながらビルの内側からしか開かないので、人が間違えて上ってくるということもありませんから」
……何だか最愛の人をお手軽な性欲発散の場所だった非常階段で抱くのは抵抗もあったものの、彼の望みは最優先で叶えたい。それに、ビルの入り口は祐樹がしっかりと施錠してきたので最愛の人の艶やかな声や湿った素肌を打ち付ける音などは聞こえないに違いない。
「もう体力は戻りましたか?」
祐樹の太ももに頭を置いた最愛の人の潤んだ眼差しや長い睫毛に宿っている細かな涙の雫が、とても綺麗だった。そして何より、電気が絞られている今夜は星がくっきりと見えてとても美しかった。月も満月に近い光を放っているのも。その金や銀の光に照らされた最愛の人の胸の尖りや、下腹部に散っている真珠の雫が艶めいた煌めきを放っている。
「タオルで下腹部を拭いたほうがいいでしょうが、どうせまた放ちますよね。このままで不快でなければ、良いのですが……」
最愛の人はうっとりとした表情だった。
「祐樹が愛してくれた証しなので全く気にしない。そろそろ非常階段に行くか……」
普段よりも気だるい感じで起き上がっている。愛の交歓の名残で甘く匂う肢体は殊の外綺麗だった。下腹部から滴った白い蜜は、残り少なくなったロウソクのオレンジ色の光で照らされて、腹部が動くとオパールよりも鈍くそして艶やかに煌めいているし、祐樹がさんざん打ち付けた双丘はよく熟した白桃よりも瑞々しい色香を放っている。そして、そのしどけなく開いた門からは祐樹のばら撒いた真珠の滴りが内太ももを濡らしていくのも愛の交歓の確かな証拠だった。
「聡……このコンクリの壁に背中を預けてください」
燃え残ったロウソクや蚊取り線香といった今回持ってきたものは全て和装用のトートバックに入れて非常階段のドアを開けて一階分降りた。非常階段を下りていくと夜風が湿った素肌を撫でていく。汗などの愛の交歓と、雨で濡れた黒い浴衣はそのまま羽織っている。何しろこのビル最後の愛の交歓をするので、夜空の青といった色の浴衣は帰る時に着ればいいだろう。
「こうか?」
艶やかな紅色の肌と無機質なコンクリートの壁のコントラストが最高にそそる。祐樹は最愛の人を正面から抱き上げた。最愛の人の艶やかに光る視線を祐樹のそれとしっかりと併せ、衝動のあまりキスの雨を降らせていく。そして、その肢体を両腕でしっかりと掴んだ。狭い踊り場に二人の吐息が熱を孕んでこだまする。最愛の人のルビーの煌めきを放つ二つの胸の尖りを右の手でぎゅっと挟んで指を鳴らすような強さで愛撫し、もう片方は前歯で挟んで軽く前後に揺らした後に若干力を強めて噛みつつ先端部分を舌で宥めた。
「ああ……っ、祐樹……っ、とても……悦……っ。どうにか……っ、なりそうだ……っ」
頃合いを見計らって腰を抱き上げると、最愛の人は両腕を祐樹の首に絡め、しがみついてきた。
「祐樹……っ、悦すぎて……っ、声が抑えられないので……っ。だから、唇と手で口を……塞いで欲し……っ」
先ほどよりも声は大きい。とはいえ、最愛の人の喘ぎ声は祐樹が知る限りもっとも小さい。唇で紅色の唇を塞いだら、熱い吐息が祐樹の唇にかかって、その微細な悦楽を唇で感じながら最愛の人を祐樹の熱で貫いた。
「ん……っ、あ……っ、祐樹、祐樹……っ、とても悦……っ」
一気に花園の奥処まで抉るように動かした。そして祐樹の熱を刻み込むように花園の奥へと挿れては、すぐに退いた。何しろ最愛の人の花園は淫らな魔性を秘めている。長く留まると、最愛の人が絶頂に達するよりも早く祐樹が真珠の熱い飛沫をまき散らしてしまいそうだ。
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