「気分は下剋上 叡知な宵宮」43(18禁)

「気分は下剋上」叡知な宵宮
This entry is part 43 of 45 in the series 気分は下剋上 叡知な宵宮

【18歳未満の方は閲覧できません】

この作品には、性行為や身体的接触などを含む成人向け描写が含まれています。
18歳未満の方、またはこのような内容に不快感を覚える方は閲覧をご遠慮ください。
作品内の描写・登場人物・設定はすべてフィクションであり、実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。

 最愛の人の花園に包み込まれて、ともすれば快楽だけを追い求めそうになるのを必死で我慢した。
「ん……っ、見える。見えるけれども……頭の中……っ、大輪の……っ、花火が……爆ぜて……っ」
 祐樹の胸に密着していた背中が綺麗に反った。最愛の人は上下に肢体を動かしている。身体の動きに濡れた肌の触れ合う音が淫らに響く。そして、花園の熱く厚い濡れたベルベットがひたりと祐樹を包み込んでくれているのも、先ほどばら撒いた真珠の迸りのおかげでずいぶんとスムーズだ。
「ん……、あっ………っ」
 尖った二つの胸のルビーをきゅっと摘まんで強く引っ張った。最愛の人は強い力が大好きなのは知っていた。繋がった場所を左右に動かし、花壁の凝った、最愛の人の敏感な場所を擦った。
「ゆ……祐樹……っ、も……っ」
 艶やかな声が甘く高く響いた。二人の繋がっている場所からも甘く淫らな結合音が濡れた音を奏でている。
「いいですよ……愛する聡……」
 雨の名残の香りと蚊取り線香の匂いが漂う空中に最愛の人の喘ぎ声が切れ切れに響いている。そして二人が繋がっている様子をロウソクが照らしている。指で感じる胸の二つの尖りと、祐樹の愛情と欲情の象徴で感じる凝った場所はどちらも硬度を増して肌を押し上げてくれるのも最高にいい。左右に動かしていた腰を上下に律動させた。
「ゆ……祐樹……。もう……っ」
 感極まった声が煌めきながら夜空に吸い込まれていくようだった。胸の尖りを強く摘まんでいた右手を、汗を纏った肢体に滑らせた。下腹部を確かめたが、二回目の真珠の放埓はばら撒いてはいないようだった。育ち切った花芯は苦しそうにひくひくと震えて、間欠泉のように蜜を吐き出してはいたが、決定的な放出に至っていない。きっと乾いた絶頂を味わっているのだろう。最愛の人は、慎ましやかに煌めく胸の二つの尖りと花園の中の凝った部分を祐樹に愛されるとこのような状態になることが、時々あった。そしてその最中さなかの花園の動きは最高にいい。何しろ普段は濡れたシルクが包み込んでくれて花びらのような小さなものが強く弱く祐樹を刺激してくれるだけでも最高なのに、今は濡れたベルベットがうねっている感じだ。
「悦楽の……っ、紅い……爆発が……っ、次々と……っ、起こって……いるみたいで……っ、最高に、い……っ。祐樹は?」
 艶やかな甘い声が屋上を愛の国に変える魔法のように紡ぎ出されている。
「聡と同様に、最高の悦楽を感じていますよ……」
 腰を上に大きく衝いた。
「ゆ……祐樹。そこ……っ」
 この愛の身体の形は最愛の人の奥処のさらに奥へと祐樹を迎え入れてくれる。柔らかく熱いゼリー状の場所に先端部分がぴったりとはまった。濡れたベルベットだけでも最高の悦楽なのに、最愛の人のその場所は天国よりも心地よい場所だ。
「あ……っ、ゆ……っ、祐樹……っ、もう……っ、限界で」
 慌てた天使のような可憐な声が耳に心地よい。
「私もです……」
 最愛の人は祐樹の右手を掴んで、付け根まで絡ませている。
「あ、祐樹……愛している……っ」
 指と肢体その全てで祐樹を強く絡めとるようだった。もちろん望むところだったが。祐樹も熱いゼリー状の場所に真珠の放埓をばら撒いたのと同時に、最愛の人の花芯が白い蜜を噴出しているのが肩越しに見えた。ロウソクの明かりでその白さがオパールのように煌めいては腹部に散らばっているのも最高の眺めだった。
「いつも以上に素敵でしたよ、愛する聡」
 繋がった身体を解いて耳元で熱く囁いた。
「私もものすごくよかった……。ああ、もう『大』の字は消えているのだな……」
 最愛の人が残念そうに言っている。紅色の顔に汗の雫が宿っているのもとても美しかった。
「そうですね。もしご先祖様の霊が私達を覗き見していたら、うっかりあの世に帰るのを忘れてしまっていたかもしれませんね……。それともあの世の土産話にするのでしょうか」
 最愛の人は祐樹の身体にもたれて荒い息を整えている。
「祖霊に意識があるのだろうか……。祐樹の髪の毛に蚊取り線香の香りがして、今はそちらのほうが幸せだ。救急救命室から帰ってきた時も時々その匂いがしていて……、祐樹の実在を嗅覚でも感じていた。今もそうなので……嬉しい。それに、私の身体も祐樹に愛されてジンジンしている……。かつて、非常階段で、祐樹はこういうことをしていたのだろう?」
 最愛の人の汗で貼りついた前髪を梳いた。
 ……非常階段で、意気投合した人とコトに及ぶことは多かったが、こんなに時間を掛けていたわけではなく、祐樹はスラックスの肝心な部分だけを開いて出し、相手もズボンをずり下げただけというありさまだった。胸を愛撫して欲しい人はシャツのボタンも開けていたが。所要時間は十五分で充分だった。
「そろそろ、大文字焼きを見た人が帰り支度を始めるところです。ああ、浴衣が雨に濡れてしまいましたね。ざっと乾かしたら大丈夫だとは思いますが……」
 最愛の人は何だか得意そうな笑みを浮かべて祐樹を見ている。

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