2025-10

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」62

「彼は美山みやま総合医療センターにいます。名前は山敏弘です。マウンテンの山に、「とし」は、敏感の敏、「ひろ」は弓偏にカタカナのムのような字です。しかし、それが何か?」 黒木准教授は不思議そうに。太い首を傾げた。「まだ計画中なのでお...
◯◯の秋 2025【完】

「気分は下剋上 ○○の秋」21

「祐樹、皮むきも任して欲しい」  最愛の人の端整な顔には焚き火の煙の「すす」がついている。薄紅色に上気した肌に「黒いすす」は似合わないような気がしたが、そんな余計なものがついていても、いや、ついているからこそ新鮮だった。どこか野山...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」20(18禁)

 最愛の人が、上下に肢体を動かすたびに、大粒の汗の雫が月の光を反射してダイヤモンドのように一瞬だけ煌めいて祐樹の浴衣へと落ちる。そして、すっかり育ち切った彼の先端部分からもさらに大きな粒がダイヤモンドの艶やかさと清浄さをまとって、...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」61

「私が医局内で久米先生に行っていることはパワハラにあたるのでしょうか?」 不安になってきたのでこの際最愛の人に聞いてみよう。祐樹は久米先生にパワハラをしている自覚はなく、むしろ愛のあるイジりだと思っている。そして久米先生も、わざわ...
◯◯の秋 2025【完】

「気分は下剋上 ○○の秋」20

「祐樹!私も草むらの中に落ちているイガを見分けられるようになった!あれだろう」 彼の弾む声がし、軍手をはめた指で指し示す方向を見ると、祐樹でも見逃してしまいそうな、緑色の部分が多いイガが落ちていた。あの大きなイガの中には大...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」19(18禁)

 最愛の人は祐樹の浴衣と下着を月明かりに煌めく指で器用に乱したかと思うと、床に膝をつき、まだ半ばしか育っていない祐樹の愛情と欲情の象徴を捧げ持った。まるで貴重な彫刻を扱うような仕草が素敵だった。 そして、紅色の唇と朱色の舌...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離」

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」60

 他の科はどうか知らないが、香川外科の場合、ほとんどの患者さんが彼の手技を慕って国内外から集まってくる。広瀬看護師たちに対してセクハラをした場合、その手術が受けられないという結果になるのだから、「読んでなかった」「知らなかった」と...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」18

「水曜の百貨店だろう?エルメスの近くを確かに通ったので多分そのときに見られたのだろうな。ただ、『医療従事者視点での病院改革』や応用できそうな術式は病院の中だけしか考えないようにしている――ん!この月見だんごの歯ごたえがモチ...
sira

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」59

「私としては、不定愁訴外来の呉先生を推薦します。まだ若いですが大変優秀な精神科医ですよね。――なんでも血が苦手だとか。手術そのものにアレルギーを示されるかもしれないです。そういう点は我々、特に香川教授の精神科の卓越した知識...
月見2025【完】

「気分は下剋上 月見2025」17

 いや、この時間はお月見を楽しむべきだ。自然薯で「その気」になるのは森技官と同じだと思うと、なおさら抑えようと思った。「松の木と月という組み合わせも日本的で素晴らしいですね」 下心を押し殺して冴え冴えと光る満月を眺めた。祐樹は柚子...
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