2025-06

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「気分は下剋上 叡知な宵宮」4

 仏壇仏具だと、祐樹の実家にあるお仏壇に灯す細いロウソクしか売っていないような気がする。あんな小さいロウソクだと彼の紅色に染まった艶やかな肌は少ししか拝めない。「すみません、キャンプに行きたいのですが、防災...
maki

「気分は下剋上 巻き込まれ騒動」84

『それで、いよいよ例の先生が決起じゃない、決心を固められたということですね』 清水研修医の声は弾んでいるが、固有名詞を使わないという細やかな配慮もきっと清水病院長の帝王教育の賜物だろう。何しろ清水病院長は、京都一の...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離]

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」4

「それで、祐樹と私に何かご用ですか?」 長岡先生の個室のある階は人通りが極端に少ない。教授執務階だと教授に呼び出された医師が、うなだれたり真っ青な顔でドアの前に立っていたりする。彼女は最愛の人が、凱旋帰国し...
「気分は下剋上」叡知な宵宮

「気分は下剋上 叡知な宵宮」 3

「大阪の天神祭りの日、花火がよく見える帝国ホテルの部屋を予約したのですが、あいにく、どうしても外せない用事が私と岩松に入ってしまって、よろしければお二人で使ってくださいというのが岩松と私の意思なのです。お二...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離]

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」3

 最愛の人は長岡先生のことを、どこか困った妹として見ていることは知っている。もちろん、内田教授が「是非ウチの医局で准教授を務めてもらいたい」と熱烈なオファーを送るほど優秀な内科医という実力を認めた上...
「気分は下剋上 巻き込まれ騒動」

「気分は下剋上 巻き込まれ騒動」83

 仕事とプライベートはきっちりと分けたいと祐樹は考えていて特に最愛の人との愛の交歓のときはプライベートの中のプライベートだ。だから医学用語を使わずに二人にだけ分かる行為の言葉を使うのはある意味当然だと思っている。「実は、二...
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「気分は下剋上 巻き込まれ騒動」82

 誰も言葉を発しない時間がゆっくりと流れていく。 森技官は、まるで幕末の「鳥羽伏見の戦い」で誰も見たことのない天皇の象徴の「錦の御旗」を掲げて幕府軍を朝敵に仕立て、戦意を喪失させた岩倉具視のような顔をしていた。しかし、あち...
「気分は下剋上」叡知な宵宮

「気分は下剋上 叡知な宵宮」 2

「あの日は、京都市内の店が自粛して灯かりを最小限にするのです。炎がより鮮明に見えるようにとの配慮みたいですが。だから、この前の屋上・・の艶っぽさを追求するなら」 屋上で色香だけをまとっていた肢体――と続けたかったが...
「気分は下剋上 知らぬふりの距離]

「気分は下剋上 知らぬふりの距離」2

 最愛の人の目をじっと見つめていた黒木准教授も、おそらく彼の意向を察したのだろう。満足そうに大きく頷いている。「私も日本酒がいただけるお店でしたら……喜んでお供します」 黒木准教授まで参加を表明したものだから医局は...
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気分は下剋上 巻き込まれ騒動 81(18禁)

※このお話には大人向けの描写(R-18相当)が含まれます。年齢に達していない方の閲覧はご遠慮ください。  森技官の右手がゆっくりと呉先生のスラックスの前へと降りていくことで、均衡は崩れた。指先は、明らかにそこに熱を灯...
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